FC2ブログ

今年初めての投稿用に書いていたお話が進まなくなってしまったので、気分転換に別のお話を書いていたのですが、そちらもイマイチまとまらなくなってしまったので諦めて途中投下します。初っ端からこんな感じで今年一年大丈夫なのだろうか……_(:3」∠)_
久しぶりにアホくさいギャグが書きたくて。思い立った1月27日が「求婚の日」だったので、プロポーズできないレン君とイケリンさんのお話です。(※但し今回投稿分にリンさん出てこないです)書き途中につきまとまりは悪いです。気になる部分はあとでこっそり修正入れるかと。後半は書き上がったらUPすると思いますが、展開は恐らくバレバレである……。



。。。

 プロポーズに必要なものは、何だと思う?
 会社の同僚からの問い掛けに対し、俺の導き出した答えはただひとつ。
「指輪に決まっているだろ」
「はぁぁ……これだからレンはダメなんだよね」
 これ以上ない完璧な答案だと思ったのに、返って来たのは盛大な溜息と理不尽な否定の言葉だ。意味が分からない。
「何だよ大事だろ指輪。給料ウンヶ月分のダイヤの指輪(目標)だぞ、渡されて喜ばない女性がいるものか」
「そこで給料に換算しちゃう時点でまだまだ甘いっていってるの。ロマンもクソもない」
「クソとか言うなよその顔で!! じゃあ定番路線で紅いバラの花100本?」
「インパクトはあるだろうけど、花って大量に貰ったら逆に困るもんだよ。覚えておいて損は無い」
「えー……じゃあムード作り?」
「レンって結構ロマンチスト? まあ、ムードも大事なんだろうけど、僕は絶対必要条件ではないと思うよ」
「じゃあなんなんだよ、まさか『愛』とかカユい事言うんじゃないだろうな? そーいうの参考にならないからマジで止めろよ」
 そんな事言うわけないじゃない、何考えてるの。小馬鹿にするようなセリフが返ってくるものだとばかり思っていたのに、クオの反応は「無言」。ということは……
「図星かよ!!」
「少なくとも僕は誠実な愛の言葉のみでミクを嫁にした。指輪なんかなくても僕の言葉を真摯に受け止めてくれたミクは天使……いや、女神だ……」
「指輪買う金が無かっただけなんじゃないのか」
「あぁ、早く帰ってミクに会いたい……ミクの作る夕飯が食べたい……」
「わかったお前もう黙れよ!」
 真顔で惚気を零し始めた緑頭にウンザリして、俺は周囲の目もはばからずに休憩室のテーブルの上にどっぷりと倒れ込んだ。新婚ホヤホヤとはまさにこの事、リア充マジで爆発しろ!
「とまぁ冗談は置いといて。……レンはどうするの、彼女との事。付き合いの長さで言ったら僕とミクよりも長いんでしょ」
 何だ冗談かよ、と突っ込む間も無く、クオはやや真剣なまなざしを俺に向ける。動作一つ、言葉一つを品定めしているみたいな目だ。思いがけない鋭さに少しだけ怯む。
「長いったって、普通に幼馴染の延長ってだけだよ」
「いいじゃん幼馴染。僕ももっと早くにミクと出会えてたらなぁって羨ましくなるよ。で、恋人関係に発展してからは……えーと、」
「……七年」
「じゃあ、いい加減転換期なんじゃないの。将来は考えているんでしょ?」
「そりゃ、……当然だろ!」
 将来。その単語にドキリとして喉に言葉がつかえる。クオはそんな俺の狼狽えを見逃さなかった。
「今の間は何。真剣に彼女――リンちゃん、だっけ。との事を考えているんだったら、僕の問いには即答できるはずだ」
「べ、別に何でも。リンとのことだって、いい加減な気持ちで考えるワケないだろ! ……ただ、ちょっと……」
「迷いがある、と。ふぅん、単細胞レンにしては珍しい」
「……お前俺を応援したいの、それともおちょくりたいの」
「勿論、どっちも」
 もうやだこいつどっかにやって!
 自販機で買ったカップの安コーヒーを勢いよく流し込んで――軽く噎せた。ちくしょう、間違えて苦手なブラックを選んでしまったのを忘れていた。焼けるような苦味と酸味が喉の奥にへばりついて、気分を一層と暗闇に引き摺り落としていく。最悪だ……。
 クオは例のじっとりとした視線で俺を眺めていたけれど、いつまでも答えない俺に痺れを切らせたのか、やがてゆっくりと口を開いた。
「……付き合い始めるきっかけってどっちだったの」
「……あっち」
「レンはその時リンちゃんに好意を抱いていたの?」
「リンちゃんとか気安く呼ぶな!」
「小さい男だな、良いじゃん名前くらい。で、どうだったの」
「……あぁもう、とっくの昔からな! まさか向こうから告白されるだなんて想像もしなかったから完全な不意打ちだったよ開いた口が塞がらなかったよ!」
 これについてはもう笑うしかない。どこの少女漫画だって話だが、ただの幼馴染で仲の良い友人だったはずの少女は、知らないうちに自分でも抑えきれない程に大きな存在になっていた。……好きに、なっていた。
 むくむくと膨らみ続ける気持ちとは対照的に、彼女に対する自信はみるみるうちに萎んでいく。それもそのはず、リンはクラスのリーダー的存在で皆からも慕われていたけど、俺はこれといった特技もないしどちらかというと馬鹿にされるタイプだ(目の前のコイツがいい例だろう)。例えるならば高嶺の花と地べたを這うアリンコ。釣り合うはずがない。幼馴染というアドバンテージを持ってしても、彼女が自分をそういう目で見てくれる可能性はゼロに等しいだろう――そう、決めつけていた。
 そんな俺が、ある日突然「今のままでも十分満足だけど普通の女の子みたいな事もしてみたいから付き合ってくれ(要約)」なんて事を言われてどんな気持ちになったかを、一度でいいから考えてみて欲しい。更に恥じらいも臆することも無く「私、レンの事好きだから」との追加爆撃のオプション付きと来た。俺がそっとしまい込んだ気持ちのやり場はどうなるっていうんだ。
「ふぅん……つまり告白する勇気が無くてウジウジ迷っている間に先手を決められたわけだ。うわダッサ」
「ぐっ、言うなよ結構引き摺ってんだから!」
「その調子じゃ普段の主導権も全部彼女側なんだろうね」
 ええおっしゃる通りです。
 なんて素直に認めるのは悔しくて軽く無視を決め込んでみたけれど、かえって逆効果だったみたいだ。
 クオは感情の起伏が乏しい顔にうっすらと笑みを浮かべて、獲物を狙う肉食動物みたいにスッと目を細める。あ、これオモチャ化決定の流れだ。
 そして案の定、一方的な質問の矢が飛んでくる。
「キスしたのってどっちが先」
「…………俺が奪われた方」
「手を繋いだのは?」
「そんなんガキの頃にも散々繋いでたんだし、今更だろ」
「ああ、活発なリンちゃんに引き摺りまわされるレンの姿が目に浮かぶ……ていうか僕が言いたかった『手を繋ぐ』ってそういうレベルの話じゃないんだけど、ひょっとして未だに引き摺り回されてるだけ?」
「……悪かったな」
「あ、否定はしないんだ。じゃあ最後の質問、セッ」
「ちょーっ!! 直球でその単語やめろよ、ここ会社だぞ!」
「……夜の営みは」
「丁寧に言い換えりゃいいってもんじゃねぇぞおい。ていうかそういう話はアルコール入れてからだろ常識的に」
「えー……だって僕お酒飲んでも酔えないし、レンに付き合う位だったら早くミクの所に帰りたいし」
 じゃあこんな話は早く終わりにして――なんて意見が通る相手じゃない事は重々承知している。疲労蓄積がピークに差し掛かった頭を抱えながら、言葉選びを慎重に。コイツの前で必要以上にエサを撒いちゃいけない。
「…………男の威厳にかけて、最終的な主導権はこっちが握っている、とだけ言っておく」
「何だ、一方的に侵されてるわけじゃないのか」
「どういう考えだよそれ! ていうかお前の中での俺の位置づけって何なの?」
「……ハチ公?」
「いい加減縁切るぞ!」
 ああ、何で俺はこんな奴に自分の恋愛事情を赤裸々に吐き出さなきゃなんないんだろう。くしゃりと潰された空のカップが手の平から離れて、テーブルの上に虚しく倒れる。紙カップは所定のごみ箱に重ねて捨てる事になっているが、憐れなコイツはもう燃えるゴミと一緒になるしかない。
 そもそも、リンの性格が漢らしすぎるのが悪いんだ。勿論それは彼女の良いところでもあるし惹かれる要素でもある、それは解っている。けれどこうも見せ場を奪われると流石に悔しいし、男として納得出来ないというか……。
「なるほど、話を聞いて色々解ったよ。要するにレンは見栄っ張りなんだ。『男の威厳』とか気にしている時点でかっこ悪いよ、ダサすぎ」
「うっせ、俺にもプライドくらいあるんだよ! お前にはわからないだろうけど、彼女が自分よりカッコよくて仕事も出来て収入も引けを取らない状況って結構しんどいんだぞ、色々と惨めになるし」
「いいじゃない。今時有能なキャリアウーマンなんてわんさかいるし、女性の方が積極的なカップルだって珍しくも無いんだから、僻むようなもんでもないでしょ」
「……別に僻んでなんか」
 ない、とは言い切れなくて、空気の抜ける風船みたいに語尾が萎んでいく。我ながら情けない。
「…………クオは、なんてプロポーズしたの」
「聞いてどうするの。レンはレンが言ってあげたい言葉をリンちゃんに伝えればいいじゃん」
「……だから気安く名前で呼ぶなって。会ったことも無いクセに」
「じゃあ今度紹介してよ。レンの彼女がどんな人なのか、僕も興味があるし」
「奥さんにチクるぞ、『あなたの旦那さんが他の女と仲良くしたがってますよ』って」
「問題ない。僕はミク一筋だし、ミクも社交的な性格だからすぐに仲良くなる。……ああ、そろそろ昼休み終了か」
 クオの言葉に周囲を見渡してみれば、休憩室に残っている人間はほんの数人。結局、面白半分に掘られただけでこっちの収穫は何も無かった。相談する相手を間違えたんじゃないだろうか。
「……まぁ、あまり難しい事は考えないで、思った事をそのまんま伝えればいいんじゃないのかな。そもそも、主導権を取られているのはレンが頼りないのが悪いんだし。男見せたきゃ当たって砕け散るくらいの覚悟は持たなきゃ」
「……砕けちゃ意味無いだろ」
「そうやってカッコつけようとするからダメなんだよ。どうせ逆立ちしたって彼女には敵わないんだし、みっともない位がレンには丁度いいって」
「ほっとけ」
 椅子に引っ掛けておいたジャケットを羽織ってため息交じりに呟く。
 別に、映画のワンシーンみたいな華やかでドラマチックなプロポーズがしたいわけじゃないんだ。ただ、告白もキスも先を越されてるから、せめて最後の砦である求婚だけは死守したいというか……それでついでにリンの意表を突けたらもっといいなぁ、なんて。
 結局、悔しいんだけなんだ、自分ばかりがドキドキと振り回されるのが。何をしたって動じない彼女を自分の言葉でドキリとさせてみたい、なんて子供じみた対抗心を燃やしているだけ。リンだって女なんだし、目の前にいきなり指輪やら花なんかが差し出されたらキュンと――……するんだろうか。
 目を潤ませて喜ぶリンが全く想像できないことに軽く絶望して、やけくそじみた溜息をもう一つ。……とりあえず、今週末のデートまでに何かしら策を考えておこう。指輪はサイズやデザインの好みがわからないからまだ買えないけれど、意志を伝えるくらいは。
 拾い上げた紙カップを近くのごみ箱に放り投げ、イマイチ晴れない気持ちのまま休憩室を後にした。



◇◆◇
片方が真面目にボケてもう片方がひたすらツッコミ入れてるようなテンション高めの会話文を書くのって結構好きです。
後半はなるべく近いうちに……
スポンサーサイト
web拍手 by FC2

求婚の日ネタ続き

新年一発目の曲紹介

comment iconコメント ( -0 )

コメントの投稿





trackback iconトラックバック ( -0 )

Trackback URL:

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。